木の芽生え

病気・症状の玉手箱


様々な病気や症状についてのお話
病気・症状の玉手箱>> サイトマップ索引>> 圧迫骨折

圧迫骨折

圧迫骨折についての思いや雑感


圧迫骨折とは、
「脊椎が老化して骨粗鬆症の状態になったもので、脊椎がもろくなり、尻もちをついただけで簡単に圧迫骨折をおこすなど外力に対する抵抗力が減少します。」「ホーム・メディカ家庭医学大事典」(小学館)


圧迫骨折は、母の話である。
わたしの母は、大正3年生まれである。
90才を過ぎている。
戦前に1人、戦後に3人、男の子を生んで育てた。
当然、食うや食わずの苦労を重ねて生きてきた。

何年か前から、腰が痛いといって右側に傾くような姿勢になった。
食欲はあって元気なのだが、横になってテレビを見るか寝ているかの生活になった。
体のために散歩をすすめるが、腰が痛くてとってもダメだといっている。

去年、家の中で使うために4本足の杖を買った。
力強く歩くことはできなくなってしまった。
家の中にいても、時々倒れそうによろめいたりすることがあったのである。

杖を買った年の暮れ、朝トイレに行くためにベッドから起き出そうとした。
足をついたつもりが、しっかりついていなかったのか、斜め後ろにひっくり返ってしまった。
痛みがすごかったらしい。

その日は、週に一度のデイケアの日であった。
デイケアの日は、早朝からそわそわして楽しみにしているのである。
その日、デイケアは中止した方がいいのではないかといったのだが、
母は無理矢理出かけていった。






翌朝、痛みが増してたまらなく辛そうだったので、近くのかかりつけの病院に連れて行くことにした。

レントゲン写真を見た先生は
「ああ、圧迫骨折ですね」
レントゲン写真を見ながら説明してくれた。
写真を見ると、脊椎がSの字に曲がっていた。
その脊椎の腰の辺りにかけての骨が、軒並みといっていいほどぐしゃっと潰れていた。

「これだけいっぱい潰れていると、どれが今回潰れたのかわからないなあ」
取りあえず、痛み止めを、ということになったのだが、
母親は腎臓が悪く、注射も飲み薬もダメで使えない。
湿布薬でごまかすしか手がなかった。

症状の性格からして、圧迫骨折は治るというものではない。
ただただ、痛みが引くのを待つだけである。
「これからも何もしなくても、同じように圧迫骨折になることがありますよ」
特に、閉経後の女性は骨がもろくなりやすいのだそうで、
尻もちをついたり、重いものを持ったりして、ちょっと外圧が加わっただけで、
骨がクサビ状に潰れて、圧迫骨折を起こすのだそうだ。

タンパク質やカルシウムを摂ること、運動をして日光に当たる機会を増やすことが、
骨粗鬆症、ひいては圧迫骨折を予防することにつながるという。
骨粗鬆症はよく話に聞いていたが、圧迫骨折というのはあまり聞いたことがなかった。


圧迫骨折から二週間後に、再び病院に行ってレントゲンを撮ってもらった。
前回、先生がマジックで印を付けておいた部分の骨の一部が、さらにぐしゃっと潰れていた。
「今回の圧迫骨折はこの骨だったようですね」

でも、あれだけS字に曲がって、潰れていた骨が多かったということは、
以前から圧迫骨折を何度か繰り返して生じていたのだろう。
大正生まれの心意気で、痛さをこらえていたのだ。




Copyright(C)2006 病気・症状の玉手箱 All Rights Reserved